「シミが急に増えた気がする」「シミ取りはできる?」など、シミに関する悩みや疑問は、男女問わず多くの人が抱えています。
しかし、シミ消しクリームなどを使ってもなかなか効果が感じられず、鏡を見るたびに悩んでしまう方もいるでしょう。
そこで、今泉スキンクリニックの今泉 先生にシミの種類や原因、シミ改善の方法について詳しくお伺いしました。
監修・取材協力:今泉 明子 先生(医療法人青泉会 今泉スキンクリニック 院長)
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「シミが急に増えた気がする」「シミ取りはできる?」など、シミに関する悩みや疑問は、男女問わず多くの人が抱えています。
しかし、シミ消しクリームなどを使ってもなかなか効果が感じられず、鏡を見るたびに悩んでしまう方もいるでしょう。
そこで、今泉スキンクリニックの今泉 先生にシミの種類や原因、シミ改善の方法について詳しくお伺いしました。
監修・取材協力:今泉 明子 先生(医療法人青泉会 今泉スキンクリニック 院長)
目次
シミの種類は大まかに分けると4つあります。
シミの発生や悪化要因としては、紫外線による影響が考えられます。
皮膚は紫外線を浴びると、真皮にあるメラノサイトと呼ばれる細胞が活性化し、メラニン色素を増加させます。
メラニン色素は、紫外線から肌を守ってくれる重要な存在ですが、肌に沈着するとシミになってしまうのです。
しかし、シミの原因は紫外線だけではないため、各シミの特徴と原因について知っていきましょう。
シミの中でも「老人性色素斑」は、シミの代表格ともいえるほど多くの人が悩むシミです。
40代以降、紫外線が当たりやすい頬や手の甲などにできやすいとされます。
日々の紫外線ダメージの蓄積が原因で起こるため、年齢を重ねるほど色は濃くなり、形もくっきりしていきます。
シミの中でも「そばかす」は、スズメもしくはウズラの卵の模様に似た小さな色素班が、鼻から頬、まぶたにかけて散らばるようにできるのが特徴です。
遺伝性のケースもあり、紫外線などの刺激によって悪化します。
ただし、30代以降は自然と薄くなっていく人もいます。
シミの中でも「肝斑」は、主に中年以降の女性の顔にできるのが特徴です。
老人性色素斑と比較し肝斑は、頬骨のあたりに左右対称にでき、まだらで境界がぼんやりとしています。
肝斑の原因は、6割~7割が紫外線とされており、なおかつ女性ホルモンが関係していることが分かっています。そのほかにも肌を擦ることによる摩擦やストレスによる影響も少なからずあります。
シミの中でも「炎症後色素沈着」とは、虫刺されやニキビなどの炎症の痕が残り、そのままシミのようになってしまったものです。
炎症の度合いによっては、なかなか消えずに長期間持続します。
また、レーザーなどの機器による治療を受けたあとでも、炎症後色素沈着が生じることがあります。
シミ対策をセルフケアで行う方法は、インターネットなどのメディアで多数紹介されていますが、どの対策をとればいいのかと悩んでいる方も多いでしょう。
シミ対策のよくある誤解と真実について解説します。
シミ予防・悪化防止する方法として、紫外線対策は重要です。
紫外線には、表皮にあるメラノサイトという細胞の働きを活発にし、メラニン色素を増加させ、シミをつくる働きがあります。また、どのシミも紫外線によって悪化します。
シミの発生を予防、悪化させないためにも、日焼け止めを塗る、衣服や帽子などで肌を覆うなど、毎日の紫外線対策を行いましょう。
シミ取りクリームなどの美白化粧品は、すでにできているシミを消せるというのは誤解です。
美白化粧品の効果は「シミの原因となるメラニンの生成を抑え、シミやそばかすを防ぐこと」であるため、シミを濃くさせない・増やさない、悪化防止・予防に効果を発揮します。
シミを改善させる対策として、美白有効成分が配合された市販の薬 (OTC医薬品)は老人性色素斑や肝斑に有効であるものの、すべてのシミが改善できる訳ではありません。
また、シミの種類に応じて製品を選ぶ必要があるので、購入前に薬剤師に相談しましょう。
なお、トラネキサム酸という成分をメインに配合した医薬品が代表的ですが、病院で医師から処方される医薬品とは成分の配合量に差があることで、効果が変わる場合もあります。
シミを目立たなくさせたい場合、食事などの生活習慣を見直すことは大切です。
とくに効果的なのはビタミンCの摂取です。ビタミンCには、シミなどの過剰な色素沈着を目立たなくする効果があると考えられています。
ビタミンCは柑橘類やベリー、トマトなどに豊富に含まれています。野菜やフルーツなどをあまり摂らない人は、サプリメントで補いましょう。
シミの予防ためには毎日2000㎎程度のビタミンCを摂取するのが効果的ですが、日焼けをしてしまったときはできるだけ早く、普段より多めに摂取するのがおすすめです。
シミを予防・悪化防止するためにセルフケアを取り入れることは重要ですが、すでにできてしまったシミをセルフケアで改善するのは難しいかもしれません。
早期に改善したい、ハッキリとした効果が欲しい人は、美容医療を選択肢に入れてみましょう。
シミは種類に応じて治療方法が異なります。複数のシミが重なっている場合もあるので、医師にシミの種類を診断してもらいながら、適切な治療を選択することがベストです。
ここからは、主な治療の内容と、治療が適しているシミの種類を紹介します。
※国内未承認治療を含みますが、それらを推奨するものではありません
シミ治療の選択肢として、レーザー治療や光治療は代表的な手段です。
シミの種類や効果の大きさによって、どちらの治療が向いているかは自己判断が難しいため、医師と治療方針を相談するようにしましょう。
レーザー治療は、皮膚組織の深い部分に働きかけ、肌の新陳代謝を一気に改善させて肌色を明るくする治療法です。
シミの種類に応じてレーザーの種類が異なるため、病院でのカウンセリングが重要になります。
光治療は、まわりの組織を傷つけることなく、メラニン色素のみに集中的にダメージを与えてシミを改善します。
ダメージを与えられた箇所は照射後3~7日間でかさぶたのようにポロポロと剥がれ落ち、シミのない肌が現れます。
光治療は、老人性色素斑やそばかす、肝斑、色素沈着などさまざまなシミやその複合的な症状の治療が可能で、4~5回の継続治療をすると徐々に明るくトーンアップしていきます。
シミに対する外用治療(塗り薬での治療)には、次のようなものがあります。
ケミカルピーリングとは、グリコール酸や乳酸などを肌に塗り、普段の洗顔では落としきれない古い角質を除去することで、ターンオーバーを正常に戻す治療です。
老人性色素斑やそばかす、肝斑、色素沈着などさまざまなシミへの治療が可能で、何度か繰り返してメラニンの排出を促進し、シミを少しずつ薄くしていきます。
イオン導入とは、メラニンの生成を抑制しながら炎症を鎮めるトラネキサム酸か、美白効果と肌荒れ改善効果のあるビタミンCのいずれかを塗布し、微弱な電流を皮膚に流すことによって、肌の深部まで届ける治療法です。
主に、肝斑と炎症後色素沈着に効果を発揮します。
肌の新陳代謝を促し、シミを薄くするトレチノイン(ビタミンA誘導体)や、メラニン生成を抑え、メラニンを淡色化してすでにできたシミを薄くする美白剤のハイドロキノンを塗布する治療法です。
いずれもすべての種類のシミに効果があります。
トレチノインとハイドロキノンは、どちらも医師の診断のもと処方される外用薬です。トレチノインは、濃度から症状や肌質に合ったものを医師が選択してくれます。
シミによる治療としては、医師から薬を処方してもらう方法もあります。
シミ治療には、トラネキサム酸やビタミン剤などの内服薬(飲み薬)を用いることもあります。
肝斑や炎症後色素沈着に対して選択されるのが一般的です。
シミ治療によってシミが目立たなくなると、その周囲のしわが気になりやすくなったという人は少なくありません。
紫外線は老人性色素斑などのシミを引き起こす原因になりますが、同時にしわの原因にもなります。紫外線は皮膚(真皮)にあるコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸を変性させ、肌のハリを保つ成分を産生する線維芽細胞も損傷させます。
シミ治療のときは、しわ治療も合わせて検討すると良いでしょう。
シミに関するよくある疑問について、今泉先生に伺いました。
シミができやすい人の特徴としてよく挙げられるのが、紫外線対策が不足していることです。そのため日焼け止めなどの紫外線対策をしていない人は、シミができやすくなってしまうのです。
また、保湿不足もシミができやすい原因になります。肌にはもともとバリア機能が備わっており、バリア機能が正常に働いていれば紫外線など外部の影響は緩和されます。
しかし、きちんと保湿できていなければ、紫外線の影響をダイレクトに受けてしまうのです。
他にも、毎日の洗顔などを強い力でゴシゴシ行うくせがある人も、摩擦などの刺激を受けて肌のメラニン生成が促されるため、シミができやすくなります。
急にシミが増えたときは、紫外線ダメージや過剰な刺激が原因である可能性があります。老人性色素斑や炎症後色素沈着は、このパターンで増えやすいシミです。
また、肝斑は女性ホルモンのバランスの乱れが原因で急増することがあります。ホルモンの影響でメラノサイトが活性化し、メラニン色素が過剰に生成され、ターンオーバーが追いつかずにシミとして現れるのです。
なお、シミは男女問わずできますが、男性は「女性のシミより2倍近く色が濃くなる」「女性のシミより肌の奥に根づき、内部で複雑に変形する」というデータがあります。
男性の皮膚は女性よりも炎症になりやすく、シミが生まれやすいため30~40代でいきなり大きなシミが出現することもあります。
シミ取りレーザーの治療そのものは1回で完結しますが、6~7割の人は色戻りします。
シミが再発しているのではなく、炎症後の色素沈着によって色が戻ってしまうのです。
色戻りさせないためには、治療後のケアがとても大切になります。
紫外線や摩擦などの刺激から肌を守るために保護テープを活用し、皮膚のメラニン生成を抑制する外用薬を塗るのが効果的です。また、レーザー後の内服治療も色戻りを予防するために重要です。
シミには種類がありますが、複数の種類が組み合わさって「シミのある肌」をつくっている場合もあります。
シミを本気で改善したいのであれば、皮膚科医の診察を受け、自分にはどんなシミができているのかを正確に知ることが大切です。
普段からセルフケアによる予防を行ったうえで、皮膚科医と相談して自分のシミに合った治療を選択しましょう。
聖マリアンナ医科大学卒業後、同大学院 にてアトピー性皮膚炎に対する抗アレルギー薬の効果について研究し、博士号取得。その後、日本赤十字医療センター 皮膚科にて勤務。2003年、最先端の美容医療を学ぶため渡米。再生医療の研究で有名なニューヨーク ワイル・コーネル医科大学(皮膚科)にてDr.Granstein教授に師事し、米国大手化粧品メーカーとの共同研究に携わる。2007年、米国から帰国後、東京ミッドタウン皮膚科形成外科クリニックNoage(ノアージュ)の院長に就任。『ヒアルロン酸注射』『ボツリヌス注射』などの注入治療をはじめ、レーザー治療、育毛治療などさまざまな治療における幅広い対応力から、政財界・芸能界の多くの著名人からの信頼を集める。
医療法人青泉会 今泉スキンクリニック
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