美容医療と聞くと、「興味はあるけど、はじめどきがわからない」「今の自分にはまだ早いかも」と考えている人も多いのではないでしょうか。

そこで、“美容医療のはじめどき”と、初心者にも取り入れやすい具体的な治療法について、あんどう歯科・美容皮フ科の安藤 かおり 先生に教えていただきました。

監修・取材協力:安藤 かおり 先生(あんどう歯科・美容皮フ科)

医師に聞く「美容医療のはじめどき」とは?

まずは、多くの患者さんの例をもとに「こんな悩みが気になったら、美容医療を検討するタイミング」という例を教えていただきました。

1.携帯などで撮った写真を見たとき

自分が写っている加工されていない写真をみて驚く様子

最近は自動で加工してくれるカメラアプリが多いですが、自撮りではなく他人が撮った写真など、加工されていない素の自分の写真を目の当たりにしたことが来院のきっかけ、という声をよく聞きます。

具体的な肌悩みとして、ほうれい線フェイスラインやあごのたるみといったエイジングサインが多いです。

美容医療はエイジングケアの治療法も豊富。普段のセルフケアももちろん大切ですが、美容医療を取り入れると効率よく対策できます。

2.育休からの復帰や育児が落ち着いたとき

子どもが自立して子育ての手が離れたときや、育休から復帰したときなど、子ども中心の生活から、自分に気を配る時間が増えたタイミングで美容医療を検討される方も多いです。

よくご相談いただく肌悩みはシミ目の下のクマ、前述のエイジングサインなどが挙げられます。美容医療では、治療法によるものの、肌の奥からよりしっかりとアプローチが可能です。年齢とともに失われる肌のハリ改善の効果も期待できます。

3.セルフケアに物足りなさを感じたとき

セルフケアに納得がいっていない様子

日々スキンケアを頑張っているのに、「以前ほどスキンケアに納得できない」「なんとなく肌状態が気になる」という場合も美容医療への相談のタイミングになります。

具体的な肌悩みとして挙げられるのは、ニキビなどの肌荒れや毛穴、肌のハリなど。セルフケアではできないことも、医療の力でアプローチが可能になります。医師が客観的に診断するため、自分では気付かなかったポイントをアドバイスできることも多いです。「こんなことで相談していいの?」と思わず、ぜひ気軽にカウンセリングを利用してみてください。

4.スキンケアやメイクの時間を短くしたいとき

メイクをする時間がなくて焦っている

美容医療で肌がきれいになると、普段のスキンケアがさらに楽しく、かつラクになることが多くあります。化粧ノリが良くなれば、メイク時間の短縮にもつながるでしょう。

毎日の準備やケア時間を短くしたい場合にも、美容医療はおすすめです。

5.ウエディングやセレモニーなどのイベントを控えているとき

イベントまでに美しくなりたいと考えている女性

ご自身やご家族のウエディング、子どもの入学・卒業など、イベントをきっかけに美容医療を利用し始める方も多くいらっしゃいます。

イベントでは写真を撮られる機会も多く、より美しい自分でありたいと思うものです。

美容クリニックでは医学的根拠に基づいた治療が行われるため、「イベントまでに美しくなりたい」などの漠然とした考えでも、医師と相談しながら自分の理想を目指すことができます。

日々のケアの一環として、美容医療を取り入れるのも手!

美容医療を取り入れる

美容医療を取り入れることで、もっと自分のことを好きになれるかもしれません。ヘアケアやネイルケアと同じように、肌のケアにもプロの力を取り入れてみてはいかがでしょうか?

日常的なケアの一環として取り入れやすい治療法は以下が挙げられます。
※国内未承認治療を含みますが、それらを推奨するものではありません。

なかでもさまざまな肌悩みにアプローチしやすい注入治療の「ヒアルロン酸注射」と「ボツリヌス注射」について、安藤先生に詳しく教えていただきました。

ヒアルロン酸注射

私たちの体内に広く存在する物質であるヒアルロン酸を体組織に注入する施術です。硬さや材質の違うさまざまな種類のヒアルロン酸製材があり、使用する部位やお悩みに合わせて、適した製材を使い分けています。

・ヒアルロン酸注射でアプローチできるお悩み(1),(2)

ヒアルロン酸注射でアプローチできる部位はゴルゴライン、ほうれい線、マリオネットライン、フェイスライン、あご、目の下の小じわやたるみの陰影によるクマ、ボリューム不足による頬のコケ、肌の乾燥、唇のボリューム不足

ボツリヌス注射

筋肉の緊張をほぐす作用があるボツリヌストキシンを注入する施術です。筋肉がリラックスした状態になることで、眉間や目尻、口元などの表情じわにアプローチすることができます。(3),(4)

ボツリヌストキシンは、一般医療でも重度の腋窩多汗症(わきの多汗症)や眼瞼けいれん、斜視などの治療に使用されています。

悩みや迷いがあるなら、まずはカウンセリングで相談してみよう

カウンセリングで相談している様子

カウンセリングをする際、治療もセットで希望される患者さんが多いですが、少しでも迷いや悩みがあるなら、まずはカウンセリングのみにすることをおすすめします。

自分が得た情報のみで治療法を決めてしまうと、その人の体質や状態に合わず、後悔につながってしまうことがあるためです。

医師が専門的な知識をもとにその人に合う治療法をご提案するので、理想の姿や費用面も含めて話し合いながら決めてはいかがでしょうか。

参考文献
(1)古山 登隆:解剖から学ぶヒアルロン酸注入療法:メディカルレビュー社.2020
(2)一瀬 晃洋:美容皮膚医学 BEAUTY.2020.3(1):22-27
(3)古山登隆,井上 香:美容皮膚医学 BEAUTY.2020.3(6):45-54
(4)古山 登隆,海野由利子,砂川恵子,青木和香恵:目もとの上手なエイジング―眼瞼下垂から非手術的美容医療,エイジング世代のメイクアップまで―.全日本病院出版会,2021.

監修・取材協力

あんどう歯科・美容皮フ科 安藤 かおり 先生

あんどう歯科・美容皮フ科 安藤 かおり 先生

名古屋大学医学部医学科卒業(2012年)。名古屋掖済会病院、名古屋大学医学部附属病院皮膚科、協立総合病院皮膚科、なおみ皮フ科クリニック、広島皮ふ科、あすか皮フ科クリニックにて保険診療、美容診療に携わる。あんどう歯科・美容皮フ科開院後は、美容皮膚科医として同院で診療に携わる。相談を通して患者さんが、笑顔になる様子を見られることが何よりの喜び。

あんどう歯科・美容皮フ科

住所:愛知県名古屋市昭和区東畑町1丁目40-9

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