ボツリヌス注射の効果が強すぎると、筋肉が必要以上にリラックスした状態になるため、眉毛が下がったりまぶたが重くなったりすることがあります。ただしそのような場合でも、個人差はあるものの半月~1ヵ月程度で、薬剤の効果が弱まるとともに症状が弱化されると考えられます。その一方で、治療効果の実感が得られない場合や、しわへの効果が弱いこともあります。
これは、ボツリヌストキシンに対する筋肉の反応に個人差があるためです。過去に効きすぎた経験がある場合、あるいは思うような効果が得られなかった場合は、医師にその旨をしっかりと伝えましょう。あらかじめ薬剤の量を調整してもらえば、不快な症状を避けやすくなります。
なお、ボツリヌス注射は妊娠中・授乳中の女性に使用することはできません。また、妊娠する可能性のある女性は、治療中だけではなく治療終了後から2回目の月経を経るまでは避妊が求められます。
一方、男性がボツリヌス注射を受ける場合は3ヵ月の避妊が必要とされます。これは、精子形成期間にボツリヌス注射が投与されるのを避けるためです。
その他、ボツリヌス注射後にかゆみや赤み、むくみなどが生じることがあります。多くは一過性ですが、症状が続く場合は再受診して適切な治療を受けてください。
またごく稀ですが、アレルギー症状が起こる可能性も否定できません。アレルギーが生じた場合は次回以降の治療ができないため、気になる症状がある場合は必ず主治医に相談しましょう。