「美肌になる方法が知りたい」「お金をかけずに美肌になる方法はある?」など美しい肌には年齢を問わず憧れるものです。しかし、美肌になろうとスキンケアを頑張っても、なかなか効果を実感できないという方も少なくありません。そこで本記事ではマグノリア皮膚科クリニックの池上 彩子 先生に、美肌に近づくための方法について伺いました。
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「美肌になる方法が知りたい」「お金をかけずに美肌になる方法はある?」など美しい肌には年齢を問わず憧れるものです。しかし、美肌になろうとスキンケアを頑張っても、なかなか効果を実感できないという方も少なくありません。そこで本記事ではマグノリア皮膚科クリニックの池上 彩子 先生に、美肌に近づくための方法について伺いました。
美肌になるための方法
監修・取材協力:池上 彩子 先生(美容皮膚科 マグノリア皮膚科クリニック 院長)
目次
「美肌」とは、以下のような条件を満たした肌を指すことが一般的です。
上記の条件を満たした肌に近づくためには、肌(皮膚)を構成する表皮層と真皮層がそれぞれ健康的に保たれていることが大切です。
肌を構成する表皮層は、体の表面を覆う器官で、「キメ」「毛穴」「肌トラブル」「しわ」「シミ」「色ムラ」など、主に見た目の部分にかかわっています。
また、表皮層の上にある皮脂膜は、皮脂と汗がまじりあったもので、皮膚の水分の蒸発を防ぎ、ツヤを保ってくれる働きがあります。しかし、皮脂が過剰になればニキビができやすくなったり、少なすぎるとカサついてしまったり肌悩みにつながるため、バランスが重要です。
肌を構成するもう一つの組織が、皮膚の奥深くにある真皮層です。真皮層は、主に肌の「ハリ」「ツヤ」といわれる柔軟性や水分量の保持に関わっています。
真皮層に弾力性を保つコラーゲンやエラスチン、水分をたくわえるヒアルロン酸などがたくさんあると、ハリやツヤのある肌になります。
美肌になるための方法としては、スキンケアや運動・睡眠などの生活習慣の改善、美容医療などの選択肢がありますが、まず取り組みやすいのはスキンケアでしょう。
化粧水や乳液などの基礎化粧品を使用すると、肌の表面である表皮の角質層をケアできます。
しかし、スキンケアの方法が誤っていたり、良かれと思って取り入れた化粧品が肌に合っていなかったりすると、かえって肌トラブルを招く能性もあります。
毎日のスキンケアの方法や注意点について池上先生に教えていただきました。
美肌を目指すうえで洗顔は大切です。洗顔には、顔の汚れや余分な皮脂などを洗い流して肌を清潔に保ったり、化粧水や美容液などを浸透しやすくしたりする役割があります。
洗顔をする際は、皮脂が落ちやすい30℃くらいのぬるま湯で行いましょう。熱いお湯は肌に必要な皮脂まで洗い流してしまい、冷水だと皮脂が落ちにくくなってしまいます。
また、摩擦を防ぐためによく泡立てた洗顔料で顔全体を手早く洗うのがポイントです。
クレンジングも、美肌になるためには欠かせません。
クレンジングには、ミルク、ローション、ジェル、クリーム、オイル、シートなど、いくつかの種類があり、自分の肌悩みにあったタイプを選ぶと肌への負担を少なくメイクを落とせます。
肌が乾燥しやすい人はミルクタイプ、皮脂が多い人はオイルタイプなど、肌の特徴やメイクの濃さに合わせて使い分けるのがポイントです。
なお、皮脂の多い方は、メイクをしていない日でもクレンジングをすることで、過剰な皮脂を落とし、健やかな肌へ近づけることができるでしょう。ニキビができやすい方や、男性におすすめです。
美肌に近づくためには、肌表面の水分を補う役割がある化粧水を使用するのも大切です。
洗顔後は、肌の皮脂が少なく乾燥を招きやすくなっているため、できるだけ早く化粧水をつけて、肌にうるおいを与えます。
つけるのはコットンでも手でも、どちらでも問題ありませんが、パンパンと肌を叩いたり、こすったりすると刺激になってしまいます。包み込むようにしてなじませましょう。
自分の肌悩みに合わせて美容液やフェイスパックなどのスペシャルケアを取り入れるのも、有効です。
なお、スペシャルケアの中には「週に2回~3回が目安」など、使用頻度の目安が書かれたものがあるため、製品の説明書を確認し、使い方を守るようにしましょう。
美肌になるために、乳液やクリームも必要なお手入れです。
乳液やクリームなどの油分を含んだスキンケアアイテムは、化粧水などで補った水分が蒸発するのを防ぐ、フタの役目があります。
乳液(乾燥が特に気になる人はクリーム)を、乾燥が気になる部分を中心に薄く塗りましょう。
皮脂が多い部分には塗らなくてもOKです。分泌された皮脂が天然のクリームとなってフタをしてくれます。
美肌を目指すうえで、覚えておきたいのが年齢の変化とともに生じやすい肌悩みです。
例えば、10代の頃は皮脂が多くニキビができやすかったのに、30代を超えると肌が乾燥しやすく小じわが気になるという方は多いでしょう。
年代ごとの肌悩みとスキンケアのポイントを確認してみましょう。
10代~20代前半は、皮脂腺が発達する年代です。皮脂の分泌は肌にうるおいを与え、なめらかにしますが、過剰になると毛穴のトラブルやニキビを招くこともあります。
毛穴やニキビなどの肌トラブルがある方は、しっかり洗顔をして余分な皮脂を洗い流したうえで、保湿することが重要です。
なお、繰り返すニキビやニキビ跡の治療には、美容医療を取り入れることで、より美肌に近づけるかもしれません。
20代後半は、10代~20代前半のような皮脂の過剰な分泌が減る年代です。人によっては、目元などが乾燥して小ジワが生じやすくなります。しかし、あごの周辺などには皮脂による毛穴の詰まり、ニキビなどのトラブルが起こりやすい時期でもあります。
そのため、乾燥を感じる部位には保湿対策を行いつつ、皮脂の多い部分はしっかりと洗顔やクレンジングを行うなど、部位に合わせたケアが必要です。
なお、小じわや毛穴詰まり、ニキビなどの肌悩みには美容医療を取り入れると、肌質が改善され肌悩みが解消される可能性があります。
30代は、皮脂量の減少が進み、乾燥などエイジングの影響が大きくなる時期です。目元の小ジワに加えて、ほうれい線、おでこなどの表情ジワ、肌や毛穴のたるみが生じることもあります。
皮脂の減少をカバーして乾燥を防ぐことをポイントに、皮脂膜の代わりになる乳液やクリームを有効に使ってスキンケアをしましょう。美容液などのスペシャルケアも有効です。
しわやたるみはスキンケアだけでは改善が難しい可能性があるため、美容医療を活用してもいいでしょう。
40代は、年齢を重ねるとともに肌内部のコラーゲンやエラスチンなどが減少し、肌のハリや弾力が失われていく時期です。
また、肌のターンオーバーが滞りがちになるので、シミが目立つようになる人もいます。
肌のハリ感の減少やシミ改善を目指すなら、注入治療や照射治療などの美容医療の手を借りると、より若々しい肌が手に入るかもしれません。
50代は、閉経を迎え、肌をなめらかに保つ役割のある女性ホルモン(エストロゲン)が減少する年代です。肌が厚く硬くなったり、乾燥が大きく進んでシミや湿疹が現れたりする方もいるでしょう。
また、エストロゲンの減少は骨にも影響します。骨量が減少して骨が縮むため、顔全体にたるみが生じやすくなります。
肌の外側と内側の両方から乾燥対策を行いつつ、美容医療の力を借りるという選択肢をとる人も増えてくる年代です。
60代は、肌のハリを保つコラーゲンやエラスチンの減少が進むため、肌全体の弾力が失われていきます。骨量や筋肉の減少も進んで、しわ、たるみが目立つようになるでしょう。
セルフケアで保湿を心掛けつつ、美容医療の力を借りることを引き続き検討するのもよいでしょう。
美肌を目指すうえでスキンケアに加えて、生活習慣を整え、健康な体になることも必要です。
美肌をつくるとされる生活習慣と、意識したほうがよいポイントを紹介します。
肌に良いとされている栄養素をご紹介しましょう。
例えば鶏のささみ、緑黄色野菜、アボカドなどを摂取すると、肌トラブルが減り、ハリやツヤのある美肌が手に入るかもしれません。
肌によいとされる栄養素を中心に、さまざまな種類の食品をバランスよく摂取し、健康な体をつくっていきましょう。
睡眠も美肌作りにおいて重要です。
睡眠時に分泌される成長ホルモンは、表皮のターンオーバーにも関わりがあり、睡眠不足や眠りの質が下がると、ターンオーバーの乱れ、バリア機能の低下などを招いてしまうといわれています。
例えば、就寝の2~3時間前には入浴をして深部体温を上げておくなどすると、スムーズに睡眠に入りやすくなるでしょう。
美肌になりたいのであれば、タバコは吸わないようにしましょう。
特に、長期間にわたって喫煙していると肌に大きな影響があるとされており、ある調査では、非喫煙者と喫煙者を比べると喫煙者はしわのある人が多いという報告もあります。
受動喫煙でも同じようなリスクがあるので、肌への影響が不安な方は、できるだけタバコの煙を避けるよう注意してください。
スキンケアや食事だけでなく、運動も美肌には必要であることをご存知ですか?
運動をすると全身の血流が促されて体調が整いやすくなり、健やかな体をつくることができます。
週に一度はジムなどで体を動かすなどの運動習慣をつけるのが理想ですが、難しい場合は、座りっぱなしを避け、1時間に1回は立ち上がる、イスをバランスボールに替えるなどの工夫をしてみるとよいでしょう。
「運動をしないのは、タバコを吸うのと同じくらい肌に悪影響がある」といわれることもあり、体を動かすことは美肌づくりに重要な習慣といえます。
スキンケアや生活習慣の改善は大切ですが、日々の積み重ねが重要で、効果を感じられるようになるにはある程度の時間が必要です。
早く美肌に近づきたい方や、セルフケアで改善できない肌悩みを抱える方は、美容医療の手を借りるのも良いでしょう。
美容医療を取り入れることで、スキンケアでは難しい肌の奥までアプローチできるなどのメリットがあります。
例えば、肌質の改善効果があるとされる治療法には、以下のようなものがあります。
※国内未承認治療を含みますが、それらを推奨するものではありません
美容医療で受けられる治療方法は種類が多いため、気になる方はまずカウンセリングを受けてみると良いでしょう。
カウンセリングを通し、医師に肌の状態を診てもらうことで、自分の肌悩みにあった治療方法を知ることができます。
美容皮膚科の医師という強い味方に相談し、自信が持てる肌を手に入れませんか。
美肌についてのよくある疑問を、池上先生に伺いました。
男性はスキンケアと紫外線対策を行うのが美肌への近道です。
スキンケアの面でいえば、男性は女性に比べて皮脂量が多い傾向であることを理解し、クレンジングや洗顔で余分な皮脂や汚れを落とすよう意識しましょう。また、皮脂が多くとも肌が乾燥している男性は意外と多いため、しっかりと保湿を行います。
また、紫外線対策も重要です。男性は女性に比べて紫外線対策をしない方もいるため、美肌を目指すのであれば、朝のスキンケアの後に日焼け止めをつける習慣を身につけておきましょう。
なお、ミドル世代とよばれる40代以降には、これまでのダメージが蓄積され、シミ、しわなど肌のエイジングにまつわる悩みが男性でも増えてきます。スキンケアに加えて美容医療の力を借りることを検討してもよいでしょう。
美肌の人が多いイメージのある韓国のスキンケアコスメに興味がある方も多いかもしれません。
日本のコスメと同様、パッチテストをしたり、肌に違和感があれば使用を中止したりすれば、問題はないでしょう。
ただし、韓国コスメのなかには日本では使えない成分が含まれているものもあります。肌に刺激を感じる成分が配合されているケースもあることを注意しておきましょう。
美肌になるためにスキンケアは欠かせないものの、スキンケアだけでシミやしわなどすべての肌悩みを解決するのは難しいかもしれません。
スキンケアで対処できるのは肌の表面までです。例えば、加齢とともに減少してくる肌の奥のコラーゲンやエラスチン、骨格までをスキンケアだけで補うことはできません。
スキンケアだけでは改善が難しい肌悩みがある場合は、美容医療を活用するのも有効な選択肢のひとつです。
治療を受けることを戸惑っている場合でも、医師に相談をすることで、効果的な治療方法の提案や、病院によっては肌悩みに合った適切なスキンケアを紹介してくれることもあります。
スキンケアと合わせて、美容医療を取り入れることで、効率よく美肌を目指せるでしょう。
参考文献
・最新版 肌美人になるスキンケアの基本 悩み解消パーフェクトBOOK(学研パブリッシング)
・正しい知識がわかる 美肌事典(高橋書店)
岡山大学医学部、同大学院卒業。医学博士。岡山赤十字病院、岡山済生会総合病院、広島市立広島市民病院などを経て、2005年に都内の皮膚科クリニック院長に就任。2006年にマグノリア皮膚科クリニックを開設し、院長に就任。注入治療(ヒアルロン酸注射、ボトックス)を得意とし、わかりやすい説明と、きめ細やかな対応、そしてナチュラルな仕上がりを大切に日々、診療にあたっている。
マグノリア皮膚科クリニック
住所:〒150-0002 東京都渋谷区渋谷1-8-7 第27SYビル5A